会計事務所 経験を積む

会計事務所 経験を積む

  • 会計事務所で経験を積むことにはどんなメリットがある?
  • 税理士資格取得を目指すなら会計事務所で働くべき?
  • 企業の経理部で働くのと比較してどんな違いがある?

税理士を目指す人の多くが会計事務所(税理士事務所)で働きながら試験合格を目指すと思いますが、

会計事務所で経験を積むことにはメリットとデメリットの両方があることを理解しておきましょう。

以下では、実際にこの業界で長いこと働いている者として、税理士業界の良いところも悪いところも包み隠さず書いています。

ぜひ参考にしてみてください。

会計事務所で経験を積むメリット

会計事務所 経験を積む

(会計事務所で経験を積むことのメリット・デメリットを解説)

 

会計事務所で実務経験を積むことのメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

  1. 経理だけでなく税務についても実務知識を身につけられる
  2. 税理士試験との両立がしやすい
  3. 税理士業界で転職を成功させやすい
  4. 企業経理への転職も選択肢に入れられる
  5. 小規模な組織なので家族的な雰囲気で働ける

特に、将来的に税理士として独立を目指す!という方にとっては、

会計事務所である程度の経験を積むことは必須といえますね。

それぞれの内容について、くわしく解説していきます。

1.経理だけでなく税務についても実務知識を身につけられる

会計事務所では経理だけでなく、税務についても深い知識を身につけることができます。

企業の経理担当者の場合、決算業務までは経験できてもその先にある「税務申告」までは経験できない企業が多いことに注意しておきましょう。

会計事務所の場合、メイン業務はむしろ税務申告です。

法人税や消費税といった企業の負担する税金の計算方法について経験を積むことが可能になります。

(なお、税務申告は決算の知識が前提になっているので、必然的に経理についてもくわしくなります)

また、会計事務所では個人事業主の確定申告なども仕事として行いますので、個人の所得税計算についてもくわしくなれます。

個人所得税の知識は、企業で働くことを考えた場合にも年末調整業務などで役立つことがありますね。

(年末調整というのは、簡単にいえば従業員の所得税を計算する手続きです)

会計分野で深い経験を積むという意味では、経理と比較してメリットが大きいのは会計事務所なのは間違いありません。

2.税理士試験との両立がしやすい

会計事務所で働く人の多くは、税理士試験の受験生として働きながら試験合格を目指しています。

この記事を読んでくださっているあなたもおそらく税理士試験の受験生だと思いますが、

自分と同じように「働きながら勉強している人たち」に囲まれている方が、勉強と仕事の両立がしやすくなるのは間違い無いでしょう。

会計事務所の所長税理士自身も、過去に働きながら試験勉強をしてきた人がほとんどです。

従業員が勉強を進めやすい環境を整えてくれていることは少なく無いですよ。

具体的には、試験直前期(7月)に長期休暇の取得を認めてくれたり、終業後に資格スクールに通いやすいように勤務時間を調整してくれたりします。

3.税理士業界で転職を成功させやすい

会計位事務所で経験を積むことのメリットとして、

いったんひとつの事務所で一人前になりさえすれば、別の事務所への転職を成功させやすくなる」ということもあります。

会計事務所の職員(税理士補助)というのは、率直に言ってどこの事務所でも同じような仕事をしています。

自分の担当顧問先を20件〜30件ぐらい持って、月次監査をして決算月が来たら決算業務。

2月〜3月の確定申告時期が来たら個人事業主の所得税確定申告業務…。

というように、やる業務は基本的にどこの事務所でも同じです。

(経営アドバイスに力を入れているとか、相続税申告業務を受けているとかいった違いはありますが)

理想は1つの職場でずっと働けることですが、長く働いていればマンネリを感じてしまうこともありますし、人間関係がうまくいかなくなってしまうこともあるでしょう。

そういうときに、自分のウデ一本を頼りにいろんな事務所を渡り歩くような仕事の仕方ができるのが、会計事務所職員の強さといえます。

4.企業経理への転職も選択肢に入れられる

会計事務所で一人前と言われるレベルまで危険を積むことができれば、

企業経理の仕事はほぼすべて問題なくこなせるようになると思います。

(上場企業など大手企業の経理になるとちょっと話は別ですが、少なくとも中小企業の経理なら対応可能になると思います)

税理士を目指して会計事務所で経験を積み始める人の中には、どうしても税理士試験をあきらめざるを得ない状況になる方も少なくありません。

そうした場合に、言い方は悪いですが「保険」として「会計事務所から経理への転職」というキャリアを選択肢にできることは、税理士業界で経験を積むメリットと言えます。

5.小規模な組織なので家族的な雰囲気で働ける

会計事務所というのは、どこもとても小さな組織になっていることが多いです。

(80%以上の会計事務所は、従業員数名〜10名程度の規模で運営されています。従業員20名程度の規模でも「中堅規模」と言われる業界です)

もちろん「ビジネスライクでお互いのプライベートには立ち入らない」という雰囲気の事務所も中にはありますが、どちらかというと家族的な雰囲気で働ける職場が多いですね。

どういう職場で働きたいか?は人それぞれ好みがあると思いますが、

未経験で入社して仕事をゼロから学ぶ段階になる人なら、家族的な雰囲気の職場の方が何かと都合が良いと思います。

会計事務所で経験を積むデメリット

↓その一方で、会計事務所で働くことには以下のようなデメリットもあります。

  1. ひとつの事務所で定年まで働く…は非現実的
  2. 一人前になるまで年収が低い
  3. ルート営業的に外部クライアントとのやりとりもできないといけない
  4. 雇用環境が劣悪なブラック事務所も一部存在している
  5. 所長税理士と相性が悪いと最悪

こちらも具体的な内容を見ていきましょう。

1.ひとつの事務所で定年まで働く…は非現実的

メリットの5つ目のところでもお伝えしましたが、会計事務所というのはどこも小さな組織です。

ひとつの会社に骨をうめる気持ちで、定年までずっと働くことは期待できないことを理解しておきましょう。

(企業経理の場合は、ある程度の大手企業を狙えばこういう働き方も可能です)

会計事務所は、組織のリーダーである所長税理士の体調しだいで組織の運営が立ち行かなってしまうようなことも考えられます。

(所長税理士が事故で再起不能になったりしたら、その時点で事務所は解散…なんてこともありえます)

なので、会計事務所の職員はみんな「近い将来の転職を前提に働く」という感じで働いているのが実際のところです。

ひとつの会計事務所でまずは仕事を一人前にこなせるようになり、その実務知識を武器にいくつもの事務所を渡り歩く…というような働き方をしている人が圧倒的に多いです。

そうやってキャリアを築いていく中で、税理士試験に合格した人は独立したり、企業経理に転職したりといったようにいろいろ選択肢が出てくるわけですね。

2.一人前になるまで年収が低い

会計事務所で働く職員の年収は、決して高い方ではありません。

未経験入社の場合は年収300万円前後からスタートですし、

経験3年〜5年目でも年収400万円代…という人はたくさんいます。

このように年収が低めになっているのは、会計事務所(税理士事務所)というビジネスそのものの仕組みに原因があります。

会計事務所というのは「お客さんからいただく顧問料」によって成り立っているビジネスです。

職員1人につき20件程度の顧問先を担当することが多いのですが、

1件あたりの顧問料が3万円だったとすると、

職員1人につき毎月60万円程度の売上を上げることができるわけですね。

そこから職員自身のお給料や諸経費を差し引きした残りが「事務所のもうけ」となるのですが、

まだ経験が浅い職員は担当できる顧問先の数も少ないので、事務所にもたらせる売上も少ないですから、

職員自身の給料も低くならざるを得ないのです。

逆に言えば、仕事が早くて多くの顧問先を担当できる人や、高い顧問料単価を払ってくれる大規模企業を担当できる経験豊富な人は、

会計事務所の職員であっても高い年収を稼げる可能性があります。

会計事務所は小さな組織ですから、所長税理士との関係の築き方しだいでパートナー的な立場になれることもあり得ます。

3.ルート営業的に外部クライアントとのやりとりもできないといけない

会計事務所の職員というと「一日中デスクワークで電卓とにらめっこしている人たち」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実情はまったく違います。

会計事務所の職員は、実際には「ルート営業」のような雰囲気で仕事をしています。

決まったお客さんを担当して、そのお客さんの営業所を実際に回るような仕事のしかたですね。

なぜこうなるのかというと、会計事務所の職員の基本業務として「巡回監査」というものがあるからです。

これは、自分が担当する顧問先企業を1ヶ月に1回程度訪問し、経理業務が正しく行われているかチェックに行く仕事です。

(1ヶ月に1回の巡回監査を12回繰り返し、1年に1回の決算業務と税務申告を完了するのが会計事務所の仕事です)

必然的に、外部のお客さんと円滑にやりとりするコミュニケーション能力も必要な仕事です。

もちろん、新規開拓の営業などは基本的にやる必要がないので、営業マンのようなセンスが必要なわけではありませんが、社会人として最低限のコミュニケーションはできないといけません。

少なくともコミュ障のようなタイプだと会計事務所の仕事内容はかなりつらいものになってしまうでしょう。

4.雇用環境が劣悪なブラック事務所も一部存在している

すでに何度かお伝えしていますが、会計事務所というのはとても小さな組織です。

ある程度の規模の企業なら労働組合というものがあって、企業に雇用される従業員の権利を守っているものですが、会計事務所にはこういう組織は普通ありません。

従業員をどのぐらい大切にあつかうか?は所長税理士の考え方しだい…となっているのが実情であることを理解しておきましょう。

中には、従業員を「使い捨ての道具」のようにしか考えていないブラック事務所も存在しているので注意してください。

実は私自身も経験があるのですが、ブラック事務所で働くのは相当に過酷です。

特に、未経験でこの業界に挑戦しようと考えている方は、こういった事務所にまちがえて入社しないように注意しなくてはなりません。

5.所長税理士と相性が悪いと最悪

会計事務所という職場では、どこも所長税理士が圧倒的な権力を持っています。

(所長税理士からしてみれば、今まで自分でやってきたビジネスの一部を他人に任せるような感じで職員を雇用しますので、必然的に職員をきびしい目で見がちです)

会計事務所の職員にとって、所長税理士という存在はまさに「ボス」です。

所長税理士と性格的な相性が悪いとまずやっていけませんし、

これまでどんなに実績をあげてきていたとしても所長税理士の機嫌を損なってしまうと、今後その事務所で働き続けることはまずできません。

もちろん、会計事務所はどこも同じような仕事をしていて別の事務所への転職はしやすいので、どうしても所長税理士と会わなければ転職という選択をしやすいのですが、

一人前に仕事ができるようになるまで(入社3年〜5年程度経つまで)はなかなか転職という選択はしにくいでしょう。

この期間中は年収も低いですから、かなりしんどい思いをしながら働いている人も少なくないのが実情です。

(もちろん、未経験者に対しても良い環境を提供しているホワイトな事務所もありますが)

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